うっかりすると1ヶ月くらい放置してしまうブログですが、本日思い立って更新します。
先日、新しい楽器を購入しました。
写真にも映っているMike Lull M5V 34inch scale 5string Jazz Bassです。
Adamovicに何も不満はないのですが、強いて言うなれば、もっと色々な意味で「目立たない」ベースが欲しいな、と、今年に入ってからずっと良い5弦のジャズベを探しておりました。そんな中、タイミング良く中古のものを見つけたので即購入。
自分の仕事の幅を広げる上で絶対に必要な買い物だったと思っています。
詳しいスペック等はまた別の機会に紹介するとして、とても良い買い物でした。
そんな中、本日お邪魔したライブにシットインさせてもらって、初めて人前でこのベースを弾きましたが、まぁ全然思ったように弾けないんですよね。
弦の数も違えばスケールも違う。持った時のフレットの位置が今まで慣れ親しんだAdamovicの感覚と違う。
どちらが良くてどちらが悪い、という事ではなくて、完全に「慣れ」の問題なのですが、演奏時に自分の感覚とのズレがあるというのは相当なストレスですね。普段Adamovicで弾けるようなフレーズも、Mike Lullだととっさに出てこなかったり、またMile Lullで積極的に弾きたいようなフレーズもあったりして、本当に面白いです。
そこで疑問に思ったのが、
「僕はベースを弾く時に、手癖/指癖を中心にしているのか、それとも自分の中でその時弾きたい音を再現するその場のインスピレーションを中心に演奏しているのか、どちらなんだろう?」
という事です。
僕の所にレッスンを受けに来る生徒さん達には、全員に
「弾きたい時に弾きたい音をきっちりと弾ける(=頭の中で鳴っている音をきちんと楽器を通して再現できる)ことを目指しなさい」
と言っているのですが、今日のあまりに弾けなかった体験を踏まえて、果たして僕自身は弾きたい時に弾きたい音を弾けていたのだろうか?という疑問が浮かんできたのです。
僕自身は、手癖とクリエイティビティって、上手い具合にお互いを補完しあっている気がしていて、
・自分の気持ちがノるように自分の好きな手癖(リック)を用意して、そこからエンジンをかけていく
・自分の中でグッとくる音形、音列があるから、それを基にしてフレーズを作っていく(=リックが出来る)
どちらも正解だと思います。
ただ、頭の中に浮かんだ「その時弾きたい音」を瞬時に弾けるテクニック(単純に楽器を演奏するテクニック、というだけではなく、イヤートレーニングだったり、自分の「引き出し」を増やすインプットの練習=たくさん音楽を聴く、耳コピする、という事だったり)を身につける事もすごく大事ですし、
一口に「ベース」と言っても、それぞれの楽器毎に違うvoice(=音色だったり、弦のバウンス感覚、テンション感、ネックのフィールやフレット間の距離等々)をどのように活かすか、そしてそれぞれの楽器の特性に合った音を上手く引き出せるか、
こうした事でも、なるべく楽器と自分との間に境界線を作らないように、若しくは楽器に上手く助けてもらえるように、それぞれの楽器がちゃんと自分のものになる練習もとても大切だと思います。
楽器に自分が弾かされている訳でもなく、楽器におんぶに抱っこでもない、
指の動くままに弾くのも良いけど、それは単に指癖なのか、それとも自分でコントロールが出来ているか、
勢いのままに弾いているそのフレーズは本当に音楽しているか、それとも単なる手癖なのか、
「卵が先か、鶏が先か」みたいな話ですけど、これはきっと僕にとっては終わらないテーマです。
書いていて、結局自分は手癖が強いのか、クリエイティビティが強いのか結論がよく分からなくなってきてしまいました(もちろん僕にはたくさん「リック」もありますし、その場で行き当たりばったりで完全にインプロヴィゼーションで弾く事もあります)。いずれにせよ、僕自身は「自分の中で聞いた事がないもの、弾いたことがないものは弾けない」というタイプのプレイヤーだと思うので、どんな時でも自分のインプットは絶えず意識的に行っていきたいです。
大好きなベースと、音楽と、末永く上手く付き合っていきたいですね。
そして、本日シットインしたライブのドラムの方にHermeto Pascoalというブラジルのミュージシャンを教えていただきました。
いやぁ……。これを見てしまうと、上記のような僕の悩みは何てちっぽけなんだろう、と思ってしまいますね。自由だ。そして彼は完全に「頭で鳴っているものを再現する」タイプですね、きっと。
因みに僕は、所有しているベースにはもれなく名前を付けるタイプですが、このMike Lullはシンディーと命名しました。理由?ワシントン州生まれのべっぴんさんだから、ですよ。笑
Adamovicの名前が気になる方はこっそりお聞き下さい。小声でお答えしますので。。。
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♪"Susto" "São Jorge" / Hermeto Pascoal